助けて!海外の病院で使う英語 その1

助けて!海外の病院で使う英語 その1

海外で病気になったら、どうしたらいいの?

おなかが痛いとか、頭が痛いとか、子供が病気になったときは、英語で何て言うの?

ということを、よく聞かれるので、何回かに分けて基本的なことを説明しよう。

自分で診断しない

まず、大事なことは自分で診断しないこと。もちろん、調子の悪いときにDr Googleを使う(グーグルで調べること)などは、皆やってることだ。もちろん、いくらでも調べてもらうのはかまわない。

だが、医療者側としては、患者サイドから

I think I’ve got stomach ulcer. (胃潰瘍だと思います。)

とか、

I have pneumonia. (肺炎になりました。)

とか、言われると、なんとなく迷惑な感じだ。なぜなら、こういった発言は診断、診察のじゃまになるからだ。少し難くなるが、解説しよう。

医療システムうんちく

文化、というか医療システムが日本は独特である。とくに奇妙なのは、患者が自分でどこの科にいくか、決めないといけないところだ。小児科や産婦人科など明らかな科を除いて、おなかが痛いのに、内科、外科、消化器科、などいろいろあるところから素人に適切な専門科を選べというのは、無茶だ。

この背景が関連しているのか、自分である程度診断名をつけて、病院に来る患者を見かける。ここで、危険なのは、患者が肺炎と言い切るから、肺ばかり検査していたけど、実は狭心症だった。とか言うケースだ。個人的には、医療者に、いろいろな可能性を検討してもらうためにも、自己診断はしないで頂きたいというのが本音だ。もちろん、信用の置けない医者がいないとも限らないので、不安だったら、言ってもらっても問題は無い。

私が現在在住している南半球の国はもとより、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、オランダ、カナダなどはどこも似たようなシステムをとっていて、病気や怪我をしたときは、大概、最初にGeneral Practitioner (総合診療医)という医師に、診てもらう。このGeneral Practitionerが、患者がどの専門医に診てもらうべきか、を決めるのだ。

そして緊急の場合は、救急外来、すなわちER(emergency room) とかED(emergency department) と呼ばれるところへ行く。救急外来の医師は、Emergency physicianといわれる。彼らは来るものは拒まず、赤ちゃんから年齢3桁の老人まで、外科系、内科系と幅広く患者を診る。そして、General Practitioner のように、患者を診て、必要であれば、専門医へ紹介してくれる。というのが一般だ。

さて、こんなうんちくはおいといて。

診断の70%は History Taking (問診)でできる。

救急医療のモットーだ。

医療者側が知りたいのは、あなたの症状で、あなたがどう診断するかではない。

History taking と言うのは日本語では問診となる。要するに、あなたがどういう経緯、問題で、病院に来たのかを医療者がわが質問してくるのだ。あなたが、どう診断をしようと、医療者側は症状について質問してくる。医療の世界ではhistory taking ほど重要なものはない。医師や看護師のアセスメントの実技試験には、history taking は必ず入ってくる。

試験でのhistory taking は head to toe(頭の先からつま先まで)といって、体の上から下まで、すべての体の機能や部位において質問する。しかも、制限時間内に、患者に失礼のない態度で行わなければならないから、なかなか難しい。英語が外国語の人たちにとっては、早く流暢に話す、だけでも訓練が必要だったりする。

試験ではなく実際の世界では、時間が試験よりも限られているので、必要だと思われることしか聞かないし、会話の中にヒントを見つけて話したりするので、割とスムーズに行くこともよくある。

少し話が、それた。

医療者の質問に答えることは、重要だ。ただし、自分がこれは言っておかなくては、と思うことは、相手に伝えたほうがいい。相手の行っていることに納得がいかない場合は、どれだけえらいお医者さんで、あろうと、バンバン質問するも良し。

ちなみに、えらいお医者さんほど、患者の言うことをよく聞いてくれる。これ、本当です。

じゃあ、病院で何を言ったらいい?

痛みがあれば、とりあえず、I have a pain.である。Where?ときかれたら、指をさして説明する。

医療者が痛みについて知りたいのは、

どこの痛みか。痛みの種類。おおまかにいうと、sharp (鋭い)dull (重たい)throbbing (ズキズキする)などだ。そして、その痛みがmove (動く)、もしくは radiate (広がっていく)するかどうかも重要だ。

さらに、continuous (継続する痛み)か、comes and goes (痛くなったり治まったり) するのか。その間隔は?何をしたら痛みがひどくなったり、軽減したりするのか。例えば、横になると楽になるとか、食べたら数分後にひどくなる。とか。

ややこしくなってきたので、簡単な例文を書いてみよう。

医者:How can I help? (どうしましたか?)

あなた:I have a pain in my head. (頭が痛いんです)

医者:Where about? Where does it start? (どこですか?どこから痛みは始まりますか?)

あなた:Here. (ここです。ここで指をさす

医者:Does the pain move anywhere? (痛みは移動しますか?)

あなた:To the back (後ろのほうへ広がります)

医師:How long does it last?(痛みはどのくらい続きますか?)

あなた:For 1-2 hours (1,2時間です)

医者:How often do you have the pain? (どのくらいおきに、その頭痛はおこりますか?)

あなた:About …. once a week (1週間に一回ぐらいかな)

医者:Is there anything to make the pain worse? (何かをすると、痛みがひどくなる、ということはありますか?)

あなた:I don’t know. Maybe light. (わかりません。たぶん、光かな)

医者:Do you take anything for the pain? (頭痛がおきたとき、何か薬を飲みますか?)

あなた:Nothing (いいえ、何も)

いつまでも続くので、この辺で一旦中止する。

このような感じで、医者は質問を繰り返す。それによって、診断が決まっていくわけだ。

take something for the pain の something は この場合は痛み止めなどの薬のことですね。

長くなってきたので、今日はこの辺にして。また、良くある病気、怪我などについて、病院英会話、紹介します。