告げ口をする人

告げ口をする人

毎日医療英語だと重たいので、今日はちょっと話題を変えてみよう。

子供のときに先生に、”xxxくんが、xxxxしましたー。”とか、よく告げ口する子がいた。そういう子のことを、私の住んでいたところでは、”チクリ”と言っていた。これが方言の一種なのかどうかは知らないが、私なりにこれが一番しっくりいくので、本日はチクリで進行させて頂く。

ところで、当たり前だが、海外でもこのチクリはもちろん存在する。

子供のチクリ

子供でいつも親や先生にチクる子のことを tell-tale (テルテイル)という。Tale というのは、物語やうわさ話のこと。ちなみに、順番を入れ替えて、tale-teller  といえば、物語を話す人、になってしまう。全くややこしい。

子供たちの会話の中にはよく出てくる。毎日のように

A : Mr Brown, Tony did xxxx. (ブラウン先生、トニーがxxxしました)

Tony: You tell-tale! (おまえ、チクリか)

というような会話が聞こえてくる。

大人のチクリ

ところが、中学、高校ぐらいになってくると、テルテイルでは、子供っぽくて恥ずかしい。そこで、大人言葉を使おうとティーンたちはNarc (ナーク)という言葉を使う。もちろん、スラングだ。

You tell-tale が You narc! になるわけだ。なんだか、かっこいい。しかし、ティーンたちは意味を良くわからずに、大人っぽいから使っているに過ぎない。このような会話をしている時点で、彼らの脳内レベルは大人になっていない。

私はなんと言っても”大人”であるから、少し語源を調べてみた。実は、Narcという言葉は、Narcotic(ナーコティック)から来ている。Narcoticとは、麻薬のことである。

例えば、AさんがBさんから麻薬を買って使っていたとする。Aさんは、麻薬を使っているところを警察に見つかり、逮捕される。が、警察は、”もし、お前が誰から買ったのか言えば、見逃してやる。”と言った。そこで、AさんはBさんの名前を出す。これを英語にすると、A narced on B. となる。AさんがBさんのことを警察にしゃべってしまったのだ。

この表現は、南半球でよく使われ、イギリスではNarc の代わりに、Grassを使うそうだ。つまり、A grassed on B. となる。おそらくGrassは大麻をあらわすのだろう。

上記のことを踏まえると、ティーンはカジュアルに使っているが、大人の会話でこれが出てくると、実はかなり深刻だった。何てこともある。

その他のチクリ

もうひとつ、告げ口をする人をあらわす表現として、whistleblower (ウィッスルブローワー)というのがある。これは、政治的や組織的な情報をもらす人のことである。

告げ口と聞けば、なんだか悪いことのような気もするが、whistleblower には、良い場合もある。典型的な例は、エドワード・スノーデン氏だ。彼は、アメリカ政府の不正通信傍受をメディアに暴露したことで有名だ。

whistle blower、口笛を吹く人、なんて、おちゃめな感じだが、これもシビアな大人の世界で使われる言葉なのだ。ニュースなどでも出てくるので、大人の会話をする方には、覚えておいて頂きたい。

同じチクリでも、奥が深いこともあるのだ。