世界レベルのリーダーのインタビューを聞いた~その2

世界レベルのリーダーのインタビューを聞いた~その2

海外現役ナースです。前回のヘレン・クラーク氏のインタビューの続きです。

世界レベルのリーダーのインタビューを聞いたその1 https://snm467.com/2020/04/19/post-554/

このパンデミックで女性リーダーたちの活躍が目立っています。クラーク氏はそのことにも触れていました。

国連安全保障理事会への手紙

今回G20 letter のほか、クラーク氏は UN Security Council (国連安全保障理事会)にも連名で手紙を書かれたそうです。UN Security Council なんて、規模が大きすぎて、何をされてるのか私は知りませんでした。が、2014年のエボラ出血熱大流行の際、どういう行動をとったのかクラーク氏が説明してくれました。エボラ大流行も当時は前代未聞の大問題で、アフリカの特に影響を受けていた国は対応に困っていたそうです。その時、リベリア共和国の大統領エレン・ジョンソンが当時アメリカ大統領であったオバマ氏にサポートをお願いしたのです。オバマ氏はすぐに資金を送ると共に彼の大統領上級顧問、サマンサ・パワー氏を現地に送り込み、システムの統制をはからせたわけです。

残念ながら今のアメリカ大統領には、そういった能力がないわけですから、国連安全保障理事会も活用できていないわけです。アメリカ大統領がやらないなら、私たちでやりましょうと手を挙げて行動に出たのが、クラーク氏と彼女の有能なお友達なわけです。

世界の女性リーダー達

この手紙にサインをしたのは女性ばかりでした。一体どうして女性ばかりなのかという質問に対し、”女性の元国連役員でグループを作ってたからよ。アルゼンチンのスサナ・マルコラとブルガリアのイリナ・ボコバ氏。みんな一緒に国連事務総長選に出馬した仲間ね” と。もう一年以上も前から、アメリカやブラジルなどの大統領による権力の振りかざしが目についていて、誰かが、どうにかしなくちゃいけないという話をしていたから、自分たちでやることにしたのよ。というようなことを言っておられました。 

このところ、とにかく女性のリーダーたちの活躍がものすごく見られます。例えば、ドイツの首相アンゲラ・メルケル、台湾の蔡英文、フィンランドのサンナ・マリン、アイスランドのカトリーン・ヤコブスドッティル。

どうして、活躍しているのは女性リーダーが多いのだと思われますか?という問いには”They are putting a human’s face to it. ” 直訳としては”人として行動しているから”、と。女性のリーダーたちは、問題に直面した時に人として正しいと思ったことを実行しているのであって、政治、経済、社会的な体裁などは、そのあとに続いてくる、という感じでした。

クラーク氏の母国、ニュージーランドの対応

この素晴らしいクラーク氏、実はニュージーランドの元総理大臣だったんですね。国連に入る前から偉い人でした。彼女はニュージーランドのコロナ大流行に対する対応をこう語っていました。

To try to manage it, NZ chose ”the elimination strategy”, this was the critical point. Learning by the doing, listening to what was happening, absorbing the evidence from offshore. NZ ended up in the right place.

訳:この状況をどう乗り切るかという点で、ニュージーランドは”排除戦略”を取りました。ここが非常に重要なポイントでした。実行しながら学び、何が起こっているかをよく聞き、海外で実際に起こっていることを吸収したのです。その結果、ニュージーランドは安全な場所になっているというわけです。

これは人口が少ない島国だから可能だったと言えばそうなのかもしれませんが、周りの状況をできる限り受け止め、全力で国民を守りにかかる政府の姿勢には感服です。

現ニュージーランドの総理大臣のスピーチ

今のニュージーランドの総理大臣も女性で、しかも総理大臣任期中に妊娠、出産をしたことで有名です。ジャシンダ・アダーン総理です。30代で総理大臣ってすごいですね。(フィンランドの総理大臣はもっと若いです。しかも美人!)

それはさておき、彼女のスピーチを聞いてものすごく感動したところがあります。ニュージーランドは今はロックダウンしていますが、感染者数は少ないですね。国民が早くビジネスを再開しようとうずうずしていることに対して、言われていたことです。

We want to go there and we want to stay there. I need a team of 5 million behind it, to do this.

訳:私たちはそこ(規制が緩和されている状態)に行きたいし、そこにとどまりたい。そしてそれをするためには500万人のチームがついてきてくれなければなりません。(人口が500万人の国です)

国民全員を1チームとしているところがなんだかものすごく素敵に聞こえました。また、そのチームの先頭に自分が立つから信じてついてきて、という気持ちがものすごく出てたと思います。スピーチの後は、いろんな記者さんたちが質問しますよね。彼女はその記者の名前を憶えているんです。だから、”はい、じゃあ次アンディーさん、ジョンさんは後で聞くから”とか言うんですよ。このパニック時ですら、一人一人を尊重することを忘れないとか、素晴らしすぎます。

質問の中で、この大変不況に入っていっているときに家賃を値上げしているオーナーがいるから、政府でそんなことをしないように規制できないのか、という質問に答えて、その最後に、”Just be a nice human being” と、ゆっくり言われました。直訳で”いい人間でいてくれ”ということです。彼女もいい人間として、できる限り頑張っているというのが伝わりました。

結果はどうであれ、全力で国民を守ってくれようとしているリーダーだと、ついていきたくなりますよね。このインタビューは彼女の人柄がものすごく見えたものだと感じました。

ロックダウンを始めるとき、ニュージーランド国民の80%が彼女の決断を支持したそうです。

納得です。

参考までに、昨日と今日取り上げたヘレンクラーク氏のインタビューはここで聞けます。https://www.stuff.co.nz/national/health/coronavirus/121079552/coronavirus-nz-podcast-trump-doesnt-have-a-clue-says-helen-clark